当日の開催案内はこちらからご覧いただけます。
対話したい問いをデザインする
2026年9月26日(土)、松前総合文化センターにおいて、「四国道徳ラボ2026 第2回研修会(愛媛会場)」を開催しました。
今回のテーマは、「対話したい問いをデザインする」。ミニ講義、問いづくりのワークショップ、模擬授業・振り返り、そして荒木寿友先生の講演を通して、子どもの思考を深め、対話につながる問いや教師の役割について学びました。
教材を読み、問いをつくる
前半は、河野若菜先生(八幡浜市立江戸岡小学校)と宮脇美智代先生(松山市立久米小学校)によるミニ講義「問いをデザインするために」から始まりました。
続いて、小島啓明先生(宇和島市立鶴島小学校)の進行で、教材「命のトランジットビザ」を用いた問いづくりのワークショップを行いました。参加者はグループで教材の読み取りや考えを共有しながら、子どもが対話したくなる問いを検討しました。
さらに、ワークショップでつくった問いを用いた模擬授業と振り返りを通して、問いを実際の授業でどのように生かすかを考えました。一つの教材について語り合い、異なる視点に触れることが、授業づくりを見つめ直す機会となりました。


考えを生み出す問いと、対話を支える教師の役割
後半は、立命館大学教職研究科教授の荒木寿友先生による講演です。
荒木先生からは、教師の発問に子どもが答え、教師が評価するやり取りに偏ると、道徳授業が教師の想定する答えを探す「正解当てゲーム」になりやすいという課題が示されました。そのうえで、教材から答えを取り出す問いから、子どもの考えを生み出す問いへと転換することの大切さが語られました。
立場や条件によって考えが揺れる問い、価値観の葛藤や問題の背景に目を向ける問い、自分自身の行動基準を振り返る問いなど、多角的に授業をデザインする視点を学びました。また、道徳の学びを、全員が同じ考えになることではなく、分かり合えない他者とも共に生きる方法を探る営みとして捉えることが示されました。
教師には、対話をつなぐファシリテーターとしての役割に加え、子どもと共に悩み、新たな価値観を生み出す「ジェネレーター」としての役割が求められます。45分間で無理に結論を出さず、簡単には答えの出ない問いや葛藤に向き合い、考え続けることを大切にするというお話も、授業の在り方を考える視点となりました。

参加者の声
参加者からは、一つの教材についてグループで語り合うことで、自分にはなかった視点に触れ、教材の読み取りや授業づくりの考えを広げられたという感想が寄せられました。初めはワークショップに不安を感じていたものの、考えを共有する楽しさを実感したという声や、模擬授業がグループワークの進め方の参考になったという声もありました。
荒木先生の講演については、道徳的価値や物事の多面性を、教師自身が自覚し、理解することの大切さを改めて感じたという感想が寄せられました。また、問いや対話について抱いていた疑問が整理され、教師の役割を具体的に捉えられたことで、明日からの授業に生かせる学びを得たという声もありました。
四国道徳ラボでは、これからも四国各県の実践や人をつなぎながら、道徳授業について、ともに学び、考える場をつくっていきます。
主催:香川大学教職大学院
協力:公益財団法人上廣倫理財団
